こんにちは。
今日はVOXの『amplug3』というヘッドホンアンプについて、各モデルの音の違いを動画で比較しながら解説していきたいと思います。
なおamplug3の各モデルとはAC30、UK drive、US Silver、Boutique、High Gainの5つのことを指します。
この5つ以外にベース向けのモデルもありますが、私はベースに詳しくないためギター用モデルのみの解説となります。ご容赦ください。
amplug3、色々あるけど何が違うん…?
AC30
まず『AC30』についてです。
このモデルはその名の通り、VOXの『AC30』というギターアンプの音をモデリングしたものになります。
AC30は『クリーンでもドライブでも艶のある良い音が出せる』という特徴を持っているアンプで、有名な真空管アンプの中では最もオールマイティーです。
実際に音を聞いていただくのが一番わかりやすいと思うので動画を貼りますね。
始まりから0:50までドライブで、クリーンは0:51〜です。
どちらも良い音ですよね。
クリーンには『透明感が強くて艶やかな音だな』という印象を受け、ドライブには『ジャキジャキ感が強く、パンチもありこれまた艶やかな音だな』という印象を受けました。
歪ませても歪ませなくてもしっかり良い音が出るオールマイティーなアンプなんですよね。
そして、このアンプをモデリングしているAmplug3 AC30にも同じことが言えます。
クリーンでもドライブでも艶やかな音が出ます。
私も実際に所持してみて、それを強く感じます。
もちろん臨場感や迫力では本家AC30に敵いませんが…音そのものは相当似てますよ。
Amplug3 AC30は『クリーンサウンドもドライブサウンドも両方大切にしたい方』へおすすめできるモデルと言えますね。
UK Drive
お次は『UK Drive』です。
このモデルはMarshallの『JCM800』というアンプをモデリングしたものになりますね。
JCM800はドライブサウンドを得意としているアンプです。
またクリーンサウンドの素直さにも定評があります。
聞いてみましょう!
クリーンサウンドはピックアップ本来の音がそのまま出ている感じの無機質な音ですよね。
しかしドライブサウンドはそれと真逆で、もはや生き物のようなジューシーさとアタック感が詰まっているような印象を受けました。
また、前述のAC30に比べるとより深く歪ませることができています。
『これぞマーシャル!』といった感じの特性ですね。
そして、そんなJCM800をモデリングしたAmplug3 UK Driveも同じ特徴を備えています。
『クリーンは素直、歪ませればジューシー』でどんなロックにも合いそうな音が出ます。
『歪ませて弾くことが多いからドライブサウンドを重視してるけど、クリーンもある程度いけるものが欲しい!』という方におすすめできますね。
US Silver
続いては『US Silver』について解説していきます。
このモデルはFenderの『Twin Reverb』というアンプをモデリングしたものになります。
なおTwin Reverbは『ものすごく綺麗なクリーンサウンドが出せる』という特徴を持っているアンプで、ロックに限らずジャズやブルースなど全てのジャンルのギター弾きに愛されています。
まずはそのクリーンサウンドを聞いてみてください。
すごく綺麗な音ですよね。
AC30にあった艶やかさがさらに増し、高音域には鈴鳴りのような煌びやかさも加わった音です。
クリーンサウンドに関しては本当に魅力的だと思います。
しかしこのアンプには欠点があります。
それは『歪まない』というものです。
とは言っても完全に歪まないわけではなく、軽めのクランチぐらいまでならボリュームを最大にすれば全然出せるんですけど…
ロックで頻繁に使われている『クランチより上の歪み』はエフェクターを使わないと出ません。
これはまあしょうがないことではあるんですよね。
Twin Reverbは大音量でクリーンサウンドを鳴らす必要がある場面を想定して開発されたアンプなので。
単体である程度まで歪ませたければ他のアンプを買う必要があります。
そしてこの『クリーンは素晴らしいけどそこから歪ませるのが難しい』という特徴は、Amplug3 US Silverにもそのまま受け継がれています。
ゲインを全開にしても軽めのクランチまでしか出ません。
クリーンはめちゃくちゃ良い音なんですけどね。
『歪ませて弾くことはほとんどなく、クリーンでばかり弾いてる』という方、もしくは『歪みはエフェクターで作るからクリーンは良い音が出るならそれで十分』という方におすすめできるモデルです。
Boutique
4つ目『Boutique』について解説します。
このモデルに関しては正直何が元になっているのか特定することが難しかったのですが…恐らくはFenderのTweed系アンプ(細かく分けるとChamp、Bassman等色々種類がありますが音は大体一緒です)をモデリングしていると思われます。
Tweed系はTwin Reverbより鈴鳴り感の強いクリーンサウンドとファズのようなドライブサウンドが特徴的で、今から70年前の50年代に大きな人気を博していたアンプです。
動画を貼ります。
クリーンはTwin Reverbとかなり似ていますが、より鈴鳴り感や鋭さが増してパキパキした音になっていますね。
クランチ(1:20〜2:25)やドライブ(2:29〜3:20)は前述の通りファズさながらで、1つ1つの単音が潰れてものすごくパンチのある音になっています。
どちらも独特で味のある音色ですよね。
特にドライブは『このアンプじゃないと出ない音なんじゃないか…?』って感想を覚えました。
そしてAmplug3 Boutiqueでもそれと似た感じの独特な音が出せます。
簡単に言うと『US Silverにパンチのあるドライブサウンドと強い鈴鳴り感を足し、代わりにクリーン領域が狭くなったバージョン』なのかなと思いますね。
このBoutiqueに関しては解説&演奏の動画をとある海外の方が上げられていたのでそれも貼ります。
0:23からがクリーンで、1:04からがクランチです。
やっぱりツイードの音に似てますねぇ…
モデリング元はツイードで間違いないと思います。
『綺麗で鋭いクリーンサウンドとファズのようなドライブサウンドが出せるモデルが欲しい!』といった方におすすめです。
High Gain
最後に解説するのは『High Gain』です。
これはMesa Boogieの『Dual Rectifier』というアンプをモデルにしていると思われます。
Dual Rectifierはとても深く歪んだ攻撃的な音が出るアンプで、メタリカなどのヘビーメタルバンドが使用していたことで有名です。
メタラーさんがYoutubeに上げていたデモ動画を貼ります。
まさにヘビメタ!って感じのとても深い歪みサウンドですよね。
よく言えばモダン、悪く言えば無機質って感じです。
そしてクリーン(6:01〜)、これはメタル向けアンプとしてはかなり綺麗ですね。
ピックアップの音をそのまま素直に伝えてくる感じの音で、傾向としてはUK Driveに似てます。
例に漏れずAmplug3 High Gainはその音をしっかり再現していて、クリーンから深い歪みまでしっかり出せます。
メタルではなくハードロックやパンクロックをやる方なら歪ませた時によりジューシーな音が出るUK Driveの方がいいのかなという気はしますが…人によってはこの無機質さが魅力になるのでしょう。
メタルの音を出せるモデルはこれしかないです。
メタラーさん方がAmplug3を選ぶならHigh Gain一択ですね。
まとめ
ということで、今回はVOX・Amplug3の各モデルごとの音の違いを解説していきました。
最後にそれぞれの特徴をまとめます!
《AC30》
クリーンからドライブまで、全ての領域で艶のある良い音が出せるオールマイティーなモデル
《UK Drive》
クリーンなら無機質で素直な音、ドライブならジューシーでパンチのある音が出せるモデル
《US Silver》
クリーンは艶やかで、かつ鈴鳴り感もある最高レベルの音
しかしある程度歪ませたければエフェクターが必須のモデル
《Boutique》
クリーンはUS Silverに近い綺麗な音
しかし歪ませるとそれが一転し、ファズのような潰れた音が出る独特なモデル
《High Gain》
メタルさながらの重たい歪みサウンドが出せるモデル
クリーンもある程度いけるが、全体的に無機質なので人を選ぶ可能性アリ
あなたにとって最適なAmplug3が見つかったのであれば幸いです。
最後まで読んでくださってありがとうございました。