優里の『ビリミリオン』という曲、去年1月にリリースされてから現在に至るまでちょくちょく週間音楽チャートのTOP100に入ってきていますよね。
それだけ売れてる曲なので先日私もたまたま耳にする機会があったのですが…歌詞がひどすぎて驚愕してしまいました。
ストーリーは意味不明すぎるし、ナチュラルに老人をバカにしたような部分もあるしで。
同じような感想を抱いた方も世の中にはたくさんいるようで、この曲の歌詞の検索候補には『ひどい』『意味不明』などとあります。
それは本当にその通りで、最初から最後までツッコミどころ満載ですよこの曲の詞。
1番から順に詳しく解説していきますね。
BUMPに憧れてる中学生って感じの詞
『歌詞知らないよ!』って方もいるかもしれないので一応動画貼っておきます。
始まり方の時点でもうおかしい
まず『老人が君に言いました』という歌詞から始まります。
いやいきなり唐突すぎるだろ。誰だよその老人。
導入とかないの…?
いきなり目の前に現れた人物が誰なのかの説明すら一切ないまま、直後にその老人が『残りの寿命50年を50億で買わせてよ』と言ってきたと優里は歌います。
いやだから誰なの?なんでそんな変な事が起こってるの?
多分この曲『老人が寿命を買いに来てそれを断る』っていうストーリーのアイディアを最初に思いついて、それをもとに書いたんでしょうね。不自然すぎるよこの登場の仕方…
まあこういう誰なのか明かされてない登場人物がいきなり出てくる詞って藤原基央(BUMP OF CHICKEN)とか野田洋次郎(RADWIMPS)なんかもよく書きますけど、彼らの詞はストーリーがちゃんと練られているので曲の最後の方でその人物の正体がわかるようにできてるんですよね。
しかしこの曲ではそういった辻褄合わせは一切ないので、結局この老人が誰だったのかは分からずじまいで終わっちゃいます。(MVでは『神』とかいうクッソ適当な説明がありますが、詞では何も言及してません)
うーん…
ストーリーを都合よく進めるために唐突に作り出したんだろうな、この老人。
もうそれがわかっちゃうので、『薄っぺらいなこいつ…』って印象を受けますね。
1番Aメロ
1番Aメロもツッコミどころ満載です。
まず最初に『ただ食って寝て働くだけの毎日なのに手放したくない。理由を考えてみたよ』と歌っています。
いや理由は後付けなのかよ。
そういうのって普通最初に理由がくるもんじゃないの…?
まあいいけど。
そしてその後には『体は痛くなるし、友達もいなくなるんだろうな。恋愛もできないだろうしその値段じゃ売れないな』と歌っています。
ん…?
売るのは寿命でしょ…?なんで歳をとった設定の話してんの…?!?
最初に言ってましたよね?『老人が残りの寿命を買わせてよと言ってきた』って。
寿命を売ったら歳とるの…?どんな設定だよ。
普通『寿命を売る』って言ったら”自分の年齢はそのままに残りの生きられる時間が短くなる”ことを指すんじゃないの…?
『寿命を売る=瞬時に老人になる』ってマジでどういう設定なんだよ。訳がわかりません。
これは確かに『意味不明』ですよ。そう検索候補に出てくるのも当然。
てかここの歌詞老人に失礼すぎでしょ。
『老人なんてどうせ体もろいし友達いないし恋人もいないだろ?w』って言ってるのとほとんど同じじゃないですか…
ストーリー仕立ての曲をよく発表するBUMP OF CHICKENとかRADWIMPSの真似をしようとしてるのはわかりますが、根本のストーリーを練る能力が低いので中学生がBUMPやRADを上っ面だけ見て真似したみたいなひどい歌詞になっちゃってます。
1番サビ
そしてサビではまず『若い僕の生きてる時間には50億以上の価値があるんだー』みたいな誰でもわかる綺麗事を歌ってますね。まあそこはどうでもいいです。(てか時間をお金に換算するのやめてくれねえかな…変えられるもんでもないしわかりづらいよ)
問題はサビの最後らへんに『生きてるだけで丸儲け』という歌詞が登場することです。
いやこれ某大物芸能人が言ってたセリフですよね…?
タイアップかなんかしてんのかな?
と思って調べてみましたが全くそういう情報は出てきませんでした。
なんでこの言葉使ったん?
感動とかの前に『ファーwww』って笑いながらこのセリフを言ってる明◯家さんまの顔がチラついてしまうんですけど…
こんなん聴いて感動してるやつ正気か…?
もう笑いに振ってるとしか思えない。
芸術作品じゃないですね。エンタメですこれ。
てかAメロでは『老人になったら嫌なことばっかりなんだろうな』って歌ってたのにここでいきなり『生きてるだけで丸儲け』って…
もう矛盾しちゃってるじゃん。
生きてるだけで丸儲けなら体痛くなっても友達いなくなっても恋人できなくても大丈夫なはずでしょ…?
生きてるんだから。
2番
2番も1番と同じでおかしなところがたくさんありますが、長くなってしまうので2点だけ挙げます。
まず『豪邸も仕事もつけるからさ』のところです。
寿命売って生きられる時間が短くなった上に大金までもらったなったなら働く必要性なんて皆無なのにわざわざ仕事つける理由なに?
多分メロディーが余ったから埋めるため適当に書いたんでしょうねこの部分。
こういうところが『薄っぺらい』と言われてしまう理由ですよ。
そしてサビ終わりの『何にでもなれる今がいいの』というところもおかしいです。
寝て食って働くだけの毎日を送っている(1番Aメロでそう言ってます)人間っていうほど”何にでもなれる”か?って思います。
働けるような年齢で何かを始めた人間が”何者かになれる”確率ってそこまでないと思うんですけどね…
現にこの曲の主人公は怠惰な日常を送ってしまっているみたいですし、そこから唐突に人が変わったように何かに打ち込み始め、最終的に何らかの功績を成し遂げられる可能性ってかなり低い。
しかし2番Cメロ部分では再び『無限大の可能性がある今は誰にも譲れない』とか歌ってます。
だからさあ…寝て食って働くだけの毎日を送っている人に無限大の可能性はどう考えてもないでしょ。
まあ聴いてくれる人に夢を持たせたいだけなんだと思いますけど。
なんの責任も取らずに。
最後の畳み掛け部分
そして最後の畳み掛け部分では『僕が生きる理由は僕が決めるから』と歌ってます。
別に寿命売って老人になろうが生きる理由ぐらい自分で決められると思いますけどね。
うーん…
なんかこの歌全体的に老人をバカにしすぎなんだよな…前述の通り1番Aメロでも『友達はいなくなるだろうし恋愛もできないよな』みたいなこと歌ってるし。
老人になったことすらないのにそんな意味不明な邪推をして『若者はこうなりたくないだろ?時間を大切にしろ』って投げかけてくるの、薄っぺらすぎますよ。
根拠が一切ないですもん。
老人になればそうなってしまう根拠が。
最後の最後で『頑張ろう 頑張ろう 頑張れ』と畳み掛けてくるのも本当に薄っぺらいな…と思います。
『老人は別に頑張らなくて良いよ』って言ってるのと一緒ですからねこれ。
今までの詞で散々老人をバカにしながら否定してきて、その流れの上で若者を賛美しながらこのセリフが出てきたわけなので。
『ストーリー調の歌詞で適当に頑張れって言っとけばみんな感動するでしょ』みたいな浅ましい魂胆もすごく見えてるし…
こんな詞で感動しちゃってる人達本当にヤバくないか…?
小学生とかだったらまだわかりますけど…
大人なのにこんなので感動してる人たちはもはや怖いですよ。
人間として薄っぺらすぎて。
(こういう人ね↑)
曲そのものも薄い
今日初めてこの曲を全部聴き、思った事があります。
歌詞どうこうの前に曲そのものが薄いですね。
歌い出し部分の伴奏はTiktokキッズが大好きなアコギのアルペジオ。
最近の曲これ多すぎでしょ。
ちょっと前に『既視感がすごい』という内容の記事を書いたtukiの『晩餐歌』という曲も同じようなイントロでしたよ。(その記事はこちらへどうぞ)
そしてメロディーも終始に渡りなんの捻りもないポップスそのものです。
サビと最後のところで盛り上がるのもTiktokなどで受けることを狙っているのでしょうね。
全てが浅ましい。
まとめ
今回は”私が優里の『ビリミリンオン』を『意味不明だし薄っぺらいな…』と思ってしまった理由”について1つずつ説明していきました。
この記事ちょっと辛口すぎたかもしれません。不快に思われた方いたらすみません。
でも最近私の中でこの曲に対する不快感がマックスになってしまい、どうしても吐き出したいと思ったので書いてしまいました。
世の中に自分から作品を見せてるのだから優里もこれぐらいは許してくれるでしょう。誹謗中傷とかでもなくただの批判ですし。
ということで続けます。
いやー…もう本当にひどい歌詞でしたよね。
個人的には『老人になったら体は痛くなるし、友達もいなくなるんだろうな。恋愛もできないだろうしその値段じゃ売れないな』の後に『生きてるだけで丸儲け』というセリフが出てきたところが特にひどいし意味わかんないなって思いました。
前述の通りではありますけど、”生きてるだけで丸儲け”なら体痛くなろうが友達いなくなろうが恋愛できなくなろうが何の問題もないはずですからね。
とんでもないレベルで矛盾しちゃってますよ。
そして何より、アラサーでそんな低レベルな歌詞を書いちゃうような奴が今の邦楽界では(一部から)持て囃されてるって事実が一番キツい。
もう…
このレベルの矛盾にすら気づけないほど読解力が終わってきちゃってるのか、歌詞に注目せず曲の雰囲気(流行に沿ってる感じ)だけで音楽を聴いている層が多すぎるのか…
どちらなのか定かではないですがいずれにせよ絶望です。
若者の読解力落ちてるぞおじさんが湧くのも無理はないですね、この現実。
まあポップスはだいぶ昔から薄っぺらいけど。(ロックは薄っぺらくなかったです。今と違って。)
もうちょっとしっかり歌詞を考えてるミュージシャンが人気になってくれたら嬉しいです。
【追記】
『何でこんな薄っぺらいんだろうな…』と疑問に思って色々調べてみた結果、優里が10代の若者たちを馬鹿にしていたことが判明しました。
要は彼らを舐め腐って『この程度の歌詞でも雰囲気だけ出しとけば売れるっしょ!』と考えていたということですね。だからこんな支離滅裂だったんだ…