今回の記事ではギブソン・レスポールスペシャルの低価格帯コピーモデルの中で質が高いと評判なものを2つピックアップし、それぞれのおすすめポイントとデメリットを紹介しています。
価格帯を分け、1つ目は『1〜3万円クラスで最適解』2つ目は『4〜7万円クラスで最適解』だなと感じたものを選びました。
予算と照らし合わせながらご検討ください。それではどうぞ。
レスポールスペシャルのおすすめコピーモデル達
1〜3万円『Blitz by AriaproII BLP-SPL』
1〜3万円クラスで最もおすすめなのはBlitz by AriaproIIの『BLP-SPL』です。

このギターは日本の『荒井貿易』という会社から発売されています。
荒井貿易は上位ブランドとして『Aria』『AriaproII』などを展開している会社で、それらのギターはプロのミュージシャンが愛用するほどのクオリティであることが知られています。(会社名に貿易とついているのはギターの輸出入事業からスタートしたためです)
日本だと福山雅治氏や元BLANKEY JET CITYの浅井健一氏などがAriaproIIの『PE』シリーズを使用されていますね。
そしてその荒井貿易が展開している初心者向けブランド『Blitz by AriaproII』もまた価格に見合わないほどクオリティが高く弾きやすいと評判です。
おすすめポイント
通常、低価格帯の初心者向けギターには『チューニングがすぐズレる』『ハイフレットの音程が合わない』『そもそもの音が悪い』などのデメリットが存在するものですが…BLP-SPLは違います。
格安価格帯モデルは中国でOEM生産していますが、弊社では現地にスタッフを派遣して現地メーカーとのやりとりを密にしています。
出典:同価格帯ならウチが最強です:荒井貿易訪問インタビュー
…工場を探している時点で取り寄せたサンプルの中には、『これはちょっと…』って思うサンプルもいっぱい来ましたよ。音が鳴らないものもあったし、寸法が違っていて歪んでいたこともありました。ビミョーに形がおかしいものが出てくるコトもありますが、弊社のサンプルを持っていって、せめてここまで作って欲しい、というように依頼します。
このように現地の工場と密に連携をとり、製品の品質改善に努めているメーカーが発売しているので『弾きにくい』『音が悪い』などの低評価がほとんどないんです。
音に関してはむしろ同価格帯の中だと良すぎる…!との評価ばかりですね。
試奏されている方の動画を貼ります。
かなり良いですね…特にクリーンの透明感。
歪ませた時のジャキッとした音もP90(本家ギブソン製のピックアップ)に近く、価格を考えたらかなり頑張ってる印象です。
また、BLP-SPLにはダブルカッタウェイ仕様の『BLP-SPL/DC』もあります。

新品 Blitz(ブリッツ) / BLP-SPL/DC YL ダブルカッタウェイ(楽天市場)
ハイフレットの演奏性に優れたものが欲しい方、またザ・クラッシュやアジアン・カンフー・ジェネレーション等のミュージシャンへ憧れている方にはこちらがおすすめです!
演奏性が向上している分、値段は少し張ってしまうんですけどね。
それでもクオリティを考えれば高くは全然ないと思います。
この価格帯でダブルカッタウェイのレスポールスペシャルを出せてるメーカーすらほぼないのが現状なので。
デメリット
そしてここからはBLP-SPLのデメリットを挙げます。
それは『ブリッジがチューン・O・マチックタイプなので本家レスポールスペシャルに忠実じゃない』というものです。詳しく解説します。
本家レスポールスペシャルが採用しているブリッジは『バーブリッジ』と呼ばれているタイプのもので、これは細かなオクターブ調整ができません。弦交換もBLP-SPLが採用しているチューン・O・マチックタイプのものに比べたら少し面倒です。
しかし、チューン・O・マチックタイプと違い弦の振動を邪魔するものが何もないので、より太くレスポンスの良い音が出るとされています。

そのため、BLP-SPLのチューン・O・マチックタイプブリッジは細かなオクターブ調整が行えて弦交換も容易ですが、音の面では少しバーブリッジに劣ってしまうんですね。
まあ劣ると言ってもそこまで大きな差ではないですし(上の動画の通り全然良い音してます)、メンテナンスの面では完全にチューン・O・マチックタイプが上なので…初心者さんに適してるのはこちらなのかなと思います。
Blitz by AriaproII(荒井貿易)もおそらくそう考えてBLP-SPLをこの仕様にしたのでしょう。
最初の一本として使われることをちゃんと考えています。
なのでこれは『明確なデメリット』では一切なく『音と見た目にこだわる方は少し気になるかな…?』程度のものなんです。
そしてこれ以外のデメリットに関しては『中国生産による作り込みの粗さ』が要因となっているのもばかりで、それはメーカー関係なく全ての低価格ギターでちょくちょくあることなので『BLP-SPLのみのデメリット』とは言えないですね。
総じてBLP-SPLは『1〜3万円クラスでは敵なしの最強レスポールスペシャル』だと思います。
最初の一本として本当におすすめできるギターですよ。

4〜7万円『Epiphone Les Paul Special』
4〜7万円クラスで最もおすすめなのはEpiphone(エピフォン)の『Les Paul Special』です。

Epiphoneは本家レスポールスペシャルを販売しているギブソンの傘下にあたるメーカーです。
そのため『再現性が高い』という意味で最も優れているのがこの『Epiphone Les Paul Special』だと思います。
おすすめポイント
僕も実際にエピフォンのレスポール系ギター(ジュニア)を所持しているのですが、部品一つ一つにわたって本家ギブソンのものを再現した品が使われており、所有感がものすごく高いです。
ブリッジからペグ裏に至るまで全部ソックリです。

違いがあったとしても、それは本家だと『GIBSON』と書いてあるところが『EPIPHONE』に変わっているぐらいですね。
また音もかなり良いです。
ギブソンとエピフォンを比較している海外の方の動画を貼ります。
どちらがギブソンでどちらがエピフォンか隠しての比較動画ですね。(答え合わせは5:23〜です)
正直、僕にはギブソンとの違いがわかりません…
エピフォンがギブソンのP-90ピックアップを忠実に再現していることがわかりますね。
エピフォンのピックアップはギブソンが設計を担当しているので当たり前と言ったら当たり前ですが…それでもギター界においては生産拠点の違い(ギブソンはアメリカ、エピフォンは中国)によって音に大差が出ることがよくあります。
しかしエピフォンには廉価メーカー特有の質の低下がほぼないです。
音のクオリティでも同価格帯最強クラスなんですね。
デメリット
そしてここからはデメリットを挙げます。
それは『仕上げが雑な個体に当たることがある』というものです。
僕がエピフォンのレスポールジュニアを所持していることは先述のとおりですが、そのギターはフレットに仕上げの甘い部分が若干あったんです。
詳細はこちらの記事に書いています→エピフォンの仕上げ、雑じゃね…?
しかし演奏に支障が出るというほどでは全然ないですし、音や部品のクオリティももちろん素晴らしいままです。
そのためエピフォンのレスポールスペシャルは『ギブソンをちゃんと感じられるけど安いもの』『神経質になる必要がなくバリバリ使っていけるもの』が欲しい方におすすめできるギターです。

Epiphone by Gibson / Inspired by Gibson Les Paul Special TV Yellow【S/N 24041522510】【名古屋栄店】
まとめ
今回はギブソン・レスポールスペシャルのおすすめコピーモデルを2つ紹介させていただきました。
レスポールスペシャルのコピーモデルは近年、生産終了やアフターサポート終了などの対応をするメーカーが多く、正直上記2モデルとトーカイ以外でおすすめできるものはほぼないのかな…といった状況になってしまっています。
かつて隆盛を極めていたグレコやバーニーなんかも情報全然出てこなくなってきてますからね…(そして僕はバーニーのSGを買い修理にかなり苦労してます)

『情報がないメーカーのギターを買う』というのは不具合が起こった時にものすごく不利なので、荒井貿易やエピフォンなどの『良い製品を作っていて、アフターサポートもしっかりしているメーカー』から選ぶのが本当に最善だと思います。
それを伝えるべく今回この記事を書きました。
最後まで読んでくださってありがとうございました。