BUMP OF CHICKEN『Iris』が残念すぎる件。タイアップのシングル曲寄せ集めただけじゃんこれ…

BUMP OF CHICKEN『Iris』が残念だった件のサムネイル わたしの意見

本日2024年09月04日に発売されたBUMP OF CHICKENのアルバム『Iris』

2000年代に根強い人気を誇っていたバンドの5年ぶりの新作アルバムとなるわけですが、近年はこのバンド自体がつまらないポップスみたいなタイアップ曲を連発しオワコンになってしまっているせいもあってあまり話題になっていませんね。

しかし僕は彼らの過去作『THE LIVING DEAD』『Jupiter』『ユグドラシル』などが大好きなのでIrisも試しに聴いてみました。

結果、一切新鮮味がなくアルバムとしての完成度も低かったのでがっかりしてしまいました。

もう本当に残念です。
全盛期のような、とまでは言いませんがせめてAurora Arcぐらいの完成度はあって欲しかった…

まあ彼ら最近タイアップしかしてないですし、新アルバムの完成度が低くなることはある程度予想できてたんですけどね。

ということで、今回は”僕がBUMP OF CHICKENの『Iris』にがっかりしてしまった理由”を話していきたいと思います。

BUMPの最新アルバムへの評価『残念』

シングルを寄せ集めただけで新鮮味なし

まず、このアルバムに収録されている曲全13曲を1つずつ羅列していきます。

  1. Sleep Walking Orchestra
  2. なないろ
  3. Gravity
  4. SOUVENIR
  5. Small world
  6. クロノスタシス
  7. Flare
  8. 邂逅
  9. 青の朔日
  10. strawberry
  11. 窓の中から
  12. 木漏れ日と一緒に
  13. アカシア

うん。

13曲中11曲すでにシングルとして発売・配信されている曲ですね。

しかもそのうち10曲がテレビ番組、アニメ、映画などとのタイアップ曲です。

いやー…本当になんの新鮮味もないですよね。
8割以上がかなり前から聴ける曲で構成されてるアルバムって…

なんの価値があるの?
もうシングル聴いてりゃいいじゃん(笑)
わざわざアルバムとして改めて発売する意味はどこにあるのでしょうか。

まあ彼らは前作(Aurora Arc)を出したのがもう5年前になってしまっているので、このアルバムは『そろそろ新しいアルバム出さなきゃマーケティング的にヤバい』と焦っていた周りの大人達から『なんでも良いから作れよ』と催促された結果急ピッチで仕方なく作ったものなんでしょうね。

実際、発売記念のインタビューでも藤原基央が『スタッフに言われて初めてアルバムを意識した』みたいなことを言ってましたし、アルバム制作に対して情熱を持ててなかったのでしょう。

シングルの寄せ集めになるのも納得です。

「ホームシック衛星2024」(2024年2月から4月に開催)というツアーをこの間まで回ってたんですけど、それが始まる前くらいの頃に「アルバムのタイトルを考えてくれ」とスタッフに言われてハッとするみたいな感じでした。

出典:BUMP OF CHICKENの5年ぶりアルバム「Iris」藤原基央1万字インタビュー

簡単に言っちゃうと、”ファンからお金を巻き上げたい商業主義の人達に『作れ』と言われたからとりあえず作ったアルバム”ですね。

良いアルバムなわけないですよ。

こんな作り方と出し方は、往年のファンに対する姿勢としてあまりにも残念です。
ロックの精神を完全に忘れてるのも含めて全てががっかりですね。

まあBUMPがロックの精神を持ってた時期ってかなり短いけど。

スポンサーリンク

曲もダメダメ

というようにIrisは収録されている曲がほぼ全部既存曲な上、作られた動機も良いものではないアルバムなんですけど…

曲そのものが良かったらまだ許せます。

ここで収録曲のうちのいくつかを聴いてみましょう。

クロノスタシス

1つ目は『クロノスタシス』

映画『名探偵コナン ハロウィンの花嫁とのタイアップ曲です。

うん。

なんの面白みもないですね。

まず質の悪いEDMみたいな音を主体にしたイントロから始まり、Aメロはその音に合わせて藤原基央がシックに歌うだけ。
ところどころで『ドゥン…ドゥン…』みたいな変な音も入ってきますが主張は弱め。
バンドでやる必要ある?この曲。

Bメロだかサビだかよくわかんねえ所でヒロのストラトやチャマのベースの音も入ってきはしますが、それで曲に勢いがついたりすることは特になく、メロディとかも含めて全てが退屈。

てかサビどこ…?

まさか1:06からのところですか…?

ちょっとこれ盛り上がりに欠けすぎてるでしょ…

つまらないですよ。

strawberry

2つ目は『strawberry』です。

TBS系ドラマ『西園寺さんは家事をしない』とのタイアップ曲です。

これもなんか劣化EDMみたいな音がまず流れてますね。
レディオヘッドが2000年にやってたことを周回遅れでやってるみたい。

Aメロではその音に加えヒロがストラトで入ってきてアルペジオを鳴らしたりしてますが…
こういう音アカシアとかSmall worldでも聴いたんだよな。

いくらなんでも引き出し少なすぎじゃないですかね。

サビになるとチャマのベースや秀ちゃんのドラムも入ってきてようやくバンドっぽくなり、メロディにも起伏が生まれてこれまでとは違う雰囲気を一瞬漂わせてきます。
しかしつまらないことには変わりないです。

なんでなんだろう…

まあ音の数が少なく弱々しいメロディ』『伝えたいことをかなり遠回しで言ってくる歌詞』『引き出しが少なくパンチもないアレンジ』『近頃のポップスでよく見るミックスボイス全開の歌声』これら全てのせいでしょうね。

邂逅

3つ目『邂逅』

映画『陰陽師とのタイアップ曲です。

この曲に関しては以前の記事でも酷評しましたが(詳しくはこちら→BUMP OF CHICKENをオワコンだと思う理由。タイアップが多すぎる上にそもそもの曲はつまらない。)、今回の記事を書くにあたり再び聴いて『やっぱ謎だなこの曲…』と思ったためまた書きます。

これまでの曲とは違い劣化EDMみたいな音は若干控えめですね。

しかしAメロBメロでの音の少なさ、面白みのなさに関してはこれまでの2曲と全く同じです。
そのあたりではピアノや『ジャガポコォ…』みたいな謎のドラムっぽい音とともに藤原基央がシックに歌ってます。
昔はギターの音を何重にも重ねた曲ばかり発表してたと思うんですけどねぇ…変わっちゃいましたね。

サビではオーケストラみたいな音やアコギなどが入ってきます。
メロディに関しても捲し立てるような感じのものに変わります。
けれどもなんか米津玄師みたいで、BUMPっぽさは皆無ですよ。
クロノスタシスと同じくバンドでやる必要性も一切なさそうですし『藤原基央』名義で発表したら?と思ってしまいますね。

そして、このMVには謎があります。
それは…どう聴いてもレスポールスペシャルの音は入ってないのに、藤原基央がレスポールスペシャルを持っているという部分です。
曲全体にわたってエレキはヒロのストラトの音しか聴こえてこないのにですよ?!持つ必要ないでしょ。
『あくまで俺たちはロックバンドなんだ!』とでも主張したかったのでしょうか。

そうだとしてもこんなバンドでやる必要性皆無の曲を出してる時点で無意味ですけどね。

スポンサーリンク

アンチではない

と、ここまででかなりディスってきてしまいましたが…

僕はBUMP OF CHICKENのアンチとかでは一切ありません。

前述の通り『THE LIVING DEAD』『Jupiter』『ユグドラシル』に関しては本当に大好きで…
ああいうアルバムを作ってみたいなとずっと思っております。

特に皮肉が効いているのにも関わらずコミカルさも含んでいる詞や、レスポールのセンターピックアップを歪ませて音を何重にも重ねたアレンジがたまりませんよ。

詞に関しては『グロリアスレボリューション』『ホリデイ』なんかでその特徴が顕著ですよね。

”弱音を論破して人を勇気づけるけど、最後は自分の言ったことに自分も溺れてしまって笑わせてくれる”みたいな。

本当にすごいと思います。
ああいう詞は絶対に色褪せないでしょうし、未来永劫日本のロック界で輝き続け色んな人に影響を与えるでしょう。これまでもそうだったように。

まとめ

今回はBUMP OF CHICKENの最新アルバム『Iris』に僕ががっかりしてしまった理由を話していきました。

いやー…本当にひどい出来でしたよね。

曲の構成がだいぶ前に発表されているシングルを寄せ集めただけになってて、じゃあその曲達が良いものなのかというと全くそうではないという地獄みたいな状況になっちゃってました。

13曲中10曲がタイアップであることからアルバムとしてのまとまりも一切なく、どこに良い点を見出したらいいのか分からなかったです。

しかし作曲者が2000年代前半に神曲を連発した藤原基央であるという事実は変えようがないので、今後また復活し、ユグドラシルのような素晴らしいアルバムを作ってくれることに期待したいですね。

最後まで読んでくださってありがとうございました。
今のBUMP OF CHICKENが好きな方々には不快な思いをさせるような記事になってしまって申し訳ないですが、『まあ分からなくはないな…』と思っていただける部分がもし1つでもあったのであれば幸いです。